野球ファンなら一度は耳にしたことがあるはず――メッツやドジャースの守護神エドウィン・ディアスが登場する際に球場に響き渡る、あの勇ましいトランペットの音色。その楽曲「Narco」を生み出したのが、オーストラリア出身のティミー・トランペットなんです。
DJとトランペット奏者という2つの顔を持つ彼は、従来のEDMシーンに革命を起こし、今や野球界でも欠かせない存在になっています。2024年12月には、ディアスのドジャース移籍に伴い「Narco」の継続使用が話題となり、再び注目を集めているんですよ。
この記事では、ティミー・トランペットのプロフィールから、「Narco」が野球の登場曲として大成功した理由、そして代表曲まで徹底解説していきます。
ティミー・トランペットとは?DJ×トランペットの革新的アーティスト
本名・生年月日・出身地などの基本プロフィール
ティミー・トランペット(Timmy Trumpet)の本名はティモシー・ジュード・スミス(Timothy Jude Smith)。1982年6月9日生まれで、2024年現在42歳です。出身地はオーストラリアのシドニーなんですね。
彼の最大の特徴は、DJとトランペット奏者という2つの才能を融合させた独自のパフォーマンススタイル。EDMにジャズやクラシックの要素を取り入れ、ライブではDJブースでトランペットを生演奏するという、他に類を見ないスタイルを確立しています。
身長は公表されていませんが、筋肉質でスリムな体型から「細マッチョ」と評されることも多く、40代とは思えない若々しいルックスも人気の秘密なんです。
4歳からトランペット、13歳で天才と呼ばれた音楽人生
ティミーの音楽人生は驚くほど早くスタートしました。なんと4歳の頃、父親の影響でトランペットを始めたんですよ。そこから才能が開花し、13歳でヤングミュージャンオブザイヤーに選ばれ、音楽院に通うための奨学金を全額獲得するという快挙を成し遂げています。
15歳ではシドニー交響楽団に入団し、名指揮者アンソニー・ハインリッヒのもとでトランペット演奏を極めたという経歴の持ち主。16歳の時にはオーストラリアのオールスターステージバンドに加入し、トランペットのソロ演奏者として活躍していました。
ただ、ちょっと面白いエピソードがあって、実は彼、学校の火災報知機をイタズラで作動させたことが原因で音楽院を退学になっちゃったんです。その後公立学校に転校してジャズ音楽にのめり込み、ジャズバンドとして活動していたある日、ハウスミュージックと出会って人生が変わったんですよね。
「これこそ自分が残りの人生でやりたいことだ!」と感じたティミーは、得意のトランペットとDJを掛け合わせる独自のスタイルを築き上げたわけです。
野球界を熱狂させた登場曲「Narco」の誕生秘話
メッツのディアス投手が2018年に採用、一度離れて復活
「Narco」は、オランダのDJデュオ・ブラスタージャックスがプロデュースし、ティミー・トランペットが演奏した楽曲です。この曲がMLB史上屈指の登場曲になったきっかけは、メッツ(当時はマリナーズ)の守護神エドウィン・ディアス投手なんですね。
2018年のスプリングトレーニング中、当時マリナーズの専属DJだった球団マーケティング副部長のグリーンが、ディアスにふさわしい登場曲を探していました。3曲の候補をディアスに聴かせたところ、トランペットの音色に惹かれた彼は「Narco」を選んだんですよ。
ところが面白いことに、2019年にメッツへトレード後、ディアスは登場曲をマイキー・ウッズの「No Hay Limite」に変更したんです。しかし同シーズン後半に不振に陥ってしまいます。そこで妻のナシャリーさんが「あのトランペットの音があればまた良くなるはず」とアドバイス。2020年から再び「Narco」に戻すことを決めたんですね。
すると見事に復調!メッツの快進撃と相まって、この楽曲はメッツファンの間で爆発的な人気となりました。
2022年8月31日、ティミー本人が球場で生演奏した伝説の瞬間
「Narco」フィーバーが最高潮に達したのは、2022年8月31日(現地時間)のドジャース戦でした。この日、なんとティミー・トランペット本人がシティ・フィールドに登場し、ディアスの登場シーンで「Narco」を生演奏したんです。
実はティミー、野球のルールすらほとんど知らず、球場に足を運んだこともなかったそうなんですよね。でも自分の曲がこれほどまでに愛されていることに感激し、シンガポールでの結婚式のスケジュールを変更してまで駆けつけたんです。
前日の試合ではメッツが敗れてディアスの出番がなく、始球式だけで終わってしまったティミー。しかし日程を1日延ばして滞在を延長し、ついに夢のコラボが実現したわけです。
大歓声に迎えられたディアスは、生演奏の「Narco」をバックにマウンドへ。まったく危なげない投球でドジャース打線を三者凡退に抑え、チームは2対1で勝利しました。メッツファンにとって、まさに最高のプレゼントとなった瞬間でしたね。
広島カープ栗林投手も採用、日本でも人気沸騰
「Narco」の人気は海を越えて日本にも広がっています。2024年シーズン、広島カープのクローザー栗林良吏投手が登場曲として「Narco」を採用したんですよ。
実はこれ、新井監督からの「もしこだわりないなら変えてみたらどう?黒田さんも『カッコいい』って言ってたよ」というさりげないプッシュがきっかけ。栗林投手自身も「もともと知っていた。カッコいいと思っていた」とのことで、すんなり決まったそうです。
勇ましくもどこか哀愁を誘うトランペットの音色が球場に響き渡ると、日本のファンも「完全にハマった!」「頭の中でリフレインが止まらない」と大興奮。守護神の登場にふさわしい楽曲として、日本の球場でも定着しつつあるんですね。
なぜ「Narco」は最高の登場曲になったのか?
トランペットの哀愁と力強さが守護神にぴったり
従来のクローザーの登場曲といえば、ヤンキースのマリアーノ・リベラの「Enter Sandman」(メタリカ)や、パドレスのトレバー・ホフマンの「Hells Bells」(AC/DC)など、ヘヴィで迫力満点のロックソングが定番でした。
ところが「Narco」は一味違うんです。重低音が効いたビートをバックに、勇ましくもどこか哀愁を誘うトランペットの音色が独特の魅力を醸し出しているんですよね。この唯一無二の個性がファンの心をつかんだわけです。
トランペットという楽器が持つ「勝利を告げるファンファーレ」のイメージと、EDMの力強いビート、そして哀愁を帯びたメロディの絶妙なバランス。これが守護神の登場シーンに完璧にマッチしたんです。
MLB.comのライターであるマット・モナガンは、この楽曲を「野球史上最高の登場曲の一つ」と評しています。メッツの専門チャンネルSNYは、ディアスがマウンドに向かう場面にはCMを入れなくなったほどなんですよ。
ファンが手拍子・ダンスで一体化する演出効果
「Narco」の素晴らしいところは、単なるBGMではなく、ファン参加型のエンターテインメントになっている点なんです。
この曲がかかると、スタンドのファンは思い思いのスタイルでディアスを迎えます。手拍子でリズムに合わせたり、身体を揺らして踊ったり、トランペットを吹く真似をしたり。球場全体が一つになって盛り上がるんですよね。
2022年シーズンのメッツは快進撃を続けており、9回にディアスがマウンドに登場すれば勝利は約束されたも同然。「Narco」は言わば「メッツの勝利の象徴」となったわけです。対戦打者のほぼ半分を三振に仕留め、奪三振率は17.20という圧倒的な成績を残していましたからね。
日本でも栗林投手の登場時に、この曲を聴いただけでファンが総立ちになって拍手する光景が見られるようになりました。単なる登場曲を超えた、一種の勝利への儀式になっているんです。
「野球史上最高の登場曲」と評される理由
なぜ「Narco」がここまで特別な存在になったのか。それは音楽的な完成度の高さに加えて、タイミングとストーリー性が完璧だったからなんですよ。
まず、ディアスが不振から復活するきっかけとなった曲という背景があります。妻の助言で「Narco」に戻した2020年以降、彼は見事に復調し、メッツの守護神として君臨しました。この「復活の物語」が曲に特別な意味を与えているんですね。
さらに2022年のティミー本人による生演奏というサプライズが、この曲の伝説性を一気に高めました。アーティスト本人が球場で演奏するという前代未聞の演出は、音楽と野球の融合という新しい可能性を示したんです。
そして何より、この曲には「勝利への確信」がある。ディアスの圧倒的なパフォーマンスと「Narco」がセットになることで、ファンは「今日も勝てる」と感じられるわけです。音楽が持つエモーショナルな力が、スポーツの興奮と完璧に結びついた稀有な例といえるでしょう。
ティミー・トランペットの代表曲5選
Freaks(2014年の大ブレイク曲)
ティミー・トランペットの名を世界に知らしめたのが、2014年リリースの「Freaks」です。ラッパーのSavageとのコラボ曲で、ズンズンと響く重低音に明るくスキップするようなトランペットの音が絶妙にマッチしています。
Armin van Buuren、Carl Cox、Fatboy Slimといった大御所DJたちからもサポートを受け、この曲の大ヒットでティミーの人生は大きく変わりました。自身のラジオショーも「Freak Show」と名付けるほど、思い入れの強い1曲なんですね。
Narco(野球ファン必聴)
2017年11月13日リリース。ブラスタージャックスがプロデュースを担当し、ティミー・トランペットが印象的なトランペット演奏を加えています。
冒頭からトランペットのメロディが響き、徐々にEDMビートが加わっていく構成。ドロップ部分では重低音とトランペットが融合し、圧倒的な高揚感を生み出すんですよ。約2分40秒というコンパクトな長さも、登場曲として完璧なんですね。
その他の代表曲
Toca(Carnage、KSHMRとのコラボ)は、フェスで盛り上がること間違いなしのドープなサウンド。ティミーのトランペット、KSHMRの繊細なメロディ、Carnageの力強さが見事に融合した1曲です。
PSY or DIE(Carnageとの再コラボ)は、オールドスクールなバイブスとクールなサウンドを織り交ぜたレイヴ向けの楽曲。サイケデリックトランスの要素も感じられる仕上がりになっています。
Mantraは、ミステリアスなサウンドが中東や古代エジプト的な雰囲気を醸し出す、ユニークな1曲。Laidback Lukeによるエディットバージョンも存在し、聴き比べると面白いですよ。
【2024年最新】ディアスのドジャース移籍でも「Narco」継続決定
2024年12月、3年107億円でドジャース入団
2024年12月9日(日本時間10日)、野球界に大きなニュースが飛び込んできました。メッツからFAになった守護神エドウィン・ディアス投手が、ドジャースと3年6900万ドル(約107億円)で合意したんです。
ドジャースは前シーズン、ワールドシリーズを制覇したものの、救援陣が課題でした。特に前オフに4年7200万ドルで獲得したクローザー、トレバー・スコットが精彩を欠き、ブルペン強化が今オフ最大の課題だったんですよね。
通算253セーブ、今季は62試合に登板して6勝3敗28セーブ、防御率1.62という好成績を残したディアスの獲得で、ドジャースはワールドシリーズ3連覇へ向けて大きく前進したわけです。
「あの曲と登場が待ちきれない」本人コメント
そして野球ファンが最も気になっていたのが、「Narco」の扱い。メッツのトレードマークともいえるこの登場曲を、ドジャースでも使うのか?
12日のドジャー・スタジアムでの入団会見で、ディアス本人が明言しました。「もちろん使う。あの曲はファンを一気に盛り上げてくれる。このユニホームで、9回にティミー・トランペットとともに登場する瞬間が待ちきれない」
日本の野球ファンも大興奮です。「来年からあの登場曲を聴けるのは激アツ」「ナルコがドジャースタジアムで鳴り響くのが今から楽しみ」「ディアスの登場曲ほんとにカッコよくて大好き」といった声がSNSにあふれました。
会見後、佐々木朗希投手の登場曲「バイラロ・ロッキー」とどちらが好きかと聞かれたゴームズGMは、「こうして比較が話題になること自体、ロウキの登場曲が素晴らしいという証拠。ファンが熱狂する曲が複数あるのはいいこと。どちらが好きか?まずティミー・トランペットを球場で聞いてから判断する」と笑わせたんですよ。
ティミー・トランペットのライブパフォーマンスの魅力
ティミー・トランペットの最大の魅力は、やはりライブパフォーマンスにあります。DJブースで曲を回しながら、重要なパートでトランペットを生演奏するという、唯一無二のスタイルなんですよ。
電子音楽と生楽器の融合に加えて、DJブースから観客を煽っての大ジャンプ、ポールにぶら下がるパフォーマンス、そして決めポーズ。迫力満点のアクティブなステージングも人気の秘密です。
日本では2015年に初来日して以来、2018年の「MUSIC CIRCUS'18」、2022年の「ULTRA JAPAN」など、何度も来日公演を実現しています。SNS上では「TIMMYの生演奏が聴きたい」という声が多数見られ、次の来日公演が待ち望まれていますね。
まとめ
ティミー・トランペットは、DJとトランペット奏者という2つの才能を融合させ、EDMシーンに革命を起こしたアーティストです。
4歳からトランペットを始め、13歳で天才と呼ばれた彼は、ジャズからEDMへと転身し、独自のスタイルを確立しました。2014年の「Freaks」で世界的な成功を収め、2017年の「Narco」はMLB史上最高の登場曲の一つとして野球界でも伝説となっています。
特にメッツ(現ドジャース)の守護神ディアス投手の登場曲として使われている「Narco」は、トランペットの哀愁と力強さが守護神の登場にぴったりとマッチ。2022年の球場での生演奏、そして2024年のディアスのドジャース移籍後も継続使用が決定したことで、さらなる注目を集めています。
日本でも広島カープの栗林投手が採用し、球場に響き渡るトランペットの音色がファンを熱狂させているんですよ。
ティミー・トランペットの音楽は、スポーツとエンターテインメントの垣根を超えて、多くの人々に感動と興奮を届け続けています。次の来日公演やディアスの2025年シーズンでの登場シーンが、今から楽しみですね。