川口春奈:五島列島から夢を追って東京へ。素顔も愛される“等身大のヒロイン”
女優・川口春奈の名前を知らない人は、もはや少ないだろう。ドラマに映画、CMにバラエティ、さらにはYouTubeと、多方面で活躍を見せる彼女は、その抜群の透明感と素直な言動で、世代を問わず多くのファンを惹きつけている。
しかし、そんな輝かしい彼女にも、思わず応援したくなるような苦労やユニークな一面がある。今回は、川口春奈という存在の“芯”をつくる魅力に迫ってみたい。

◆ 長崎・五島列島から始まった、少女の挑戦
川口春奈の故郷は、長崎県・五島列島の福江島。豊かな自然に囲まれたその島から、彼女は中学生の頃から芸能の仕事のために東京と行き来していた。当時、福江島から東京への直行便はなく、船で9時間かけてまず博多へ。その後、新幹線や飛行機で東京へ向かうという、気が遠くなるような道のりだ。
「最初は月に1回くらいでした。でも、次第に週に1回になって…。中3で、通うのは限界だと思って上京を決めました」
当時、まだ思春期まっただ中の少女が、家族と離れ、ひとりで夢を追う決意をした。その背景には、持ち前の芯の強さと、支えてくれる家族の存在があった。
◆ わがままで甘えん坊。でも人一倍の寂しがりや
三姉妹の末っ子である川口春奈は、自らを「生粋のわがまま甘えん坊寂しがりやガール」と表現する。SNSでは素直な思いや言葉を飾らずに投稿し、特に2018年の父の日には、「父に似すぎている」という自分の写真とともに、19歳で亡くなった父への想いを綴った。
「春奈」という名前は、祖父の名前の一文字「春」から。実は「春菜」となる予定だったものの、母がうっかり「春奈」と届けてしまい、今の名前になったという微笑ましいエピソードもある。
◆ 可愛いだけじゃない。ギャップ満載の素顔
彼女の魅力は、ビジュアルだけではない。趣味は「海釣り」だというが、なんと泳げず、魚も触れない。それでも、最高300匹釣ったことがあるというから驚きだ。この「やるときはやる」精神は、女優業にも通じるのかもしれない。
好きなアーティストは加藤ミリヤ、椎名林檎、安室奈美恵など芯のある女性ばかり。尊敬する芸能人には、事務所の先輩・菅野美穂の名を挙げる。そして、地元・長崎出身で共演経験もある仲里依紗とは、今でも仲が良い。
YouTubeでは、飾らない表情でサウナを楽しむ姿も公開しており、テレビでは見られないナチュラルな姿がファンの間で話題となった。
◆ モテなかった少女時代と、人生最大のモテ期
『あいつ今何してる?』に出演した際、小学生時代の同級生が語ったのは、「可愛いよりも面白い春奈」の姿。当時はFUJIWARAの原西の動きを真似して、周囲を笑わせていたそうだ。
しかし、そんな川口春奈にも“モテ期”があった。本人いわく、中学時代が「人生最大のモテ期」。そのギャップに、思わずほっこりしてしまう。
◆ 本当は保育士になりたかった少女が、朝ドラヒロインを目指す理由
モデルとしてデビューする前は、子ども好きが高じて「保育士になりたかった」と語る川口春奈。素朴で、どこにでもいそうな“普通の女の子”だったからこそ、視聴者は彼女に共感し、応援したくなるのだろう。
2016年のインタビューでは、「朝ドラヒロインになりたい」と語っていた。その夢は、着実に現実へと近づいているように思える。

◆ “無理をしない”強さと、“自然体”でいられる勇気
川口春奈の魅力は、頑張りすぎず、飾りすぎず、それでいて確かな芯を持っているところだ。離島から東京へ上京した少女は、いまや国民的な存在となったが、どこか昔のままの「春奈ちゃん」を感じさせる。
彼女のように、笑って泣いて、まっすぐに生きる姿は、きっとこれからも多くの人の心を動かし続けるだろう。